コインランドリーの開業を考えている方の中には、「開業資金が0円でもスタートできるのか」と疑問に思っている方も多いでしょう。しかし、現実には自己資金0円での開業は厳しいと言えます。本記事では、コインランドリーの開業資金に関する基本情報や初期投資を抑える方法について解説します。
残念ながら、自己資金0円でコインランドリーを開業するのは厳しいといえます。コインランドリーを開業するには、初期費用としておおよそ2,000万〜2,500万円ほど必要です。さらに、融資を受ける場合でも、自己資金が審査項目の一つになるため、自己資金が全くない状態での開業は難しいでしょう。
ただし、工夫次第で少ない資金からでも開業する道が残されています。具体的には、土地や建物をレンタルしたり、リース契約を活用することが考えられます。これにより、初期投資を抑えながら事業をスタートできる可能性があります。
コインランドリーを開業する際に必要な具体的な費用項目を見てみましょう。
フランチャイズ経営を選ぶと、加盟料や保証金などのフランチャイズ費用が発生します。これらの費用はおおよそ50万〜100万円程度です。フランチャイズに参加することで、経営のノウハウやサポートを得られるため、初めての開業でも安心感があります。
物件を借りる場合、物件取得保証金や仲介手数料、前家賃などの初期費用がかかります。これらは物件によって大きく変動しますし、相応の準備が必要です。
コインランドリーを開業するためには、店舗の外装・内装工事、給排水設備工事などの工事費用が必要です。これらの費用は700万〜800万円ほどかかることが一般的です。
洗濯機や乾燥機などのランドリー機器にかかる費用も大きな負担です。例えば、新品の洗濯乾燥機8台を揃えると1,600万〜2,400万円の費用が発生します。これに加えて、両替機やキャッシュレス決済端末などの設置費用もかかります。
新規顧客を呼び込むために、地域住民に対してチラシ配布やインターネット広告などの宣伝を行う必要があります。この広告・宣伝費は年間50万円程度と見積もられます。
無人経営が基本のコインランドリーでは、地震や水害、盗難などのトラブルに備えて保険に加入しておくのが一般的です。利用者のケガなど、予期せぬ事態にも対応できる保険が推奨されます。
コインランドリー開業の初期投資を抑えるための方法について解説します。コインランドリー経営は、比較的高額な初期投資が必要ですが、以下の工夫でその負担を軽減することが可能です。
ランドリー機器の費用は、開業資金の大部分を占めます。新品ではなく、中古のランドリー機器を購入することで、初期費用を大幅に抑えることができます。ただし、中古機器は状態にばらつきがあるため、価格だけで選ぶと故障が頻発するなど、かえって費用がかさむリスクがあります。慎重に機器の状態を確認して選ぶことが重要です。
経済産業省や地方自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、初期投資の一部をカバーすることができます。例えば、「小規模事業者持続化補助金」を利用することで、販路拡大や店舗改装にかかる費用の一部を補助してもらうことが可能です。このような制度は年度ごとに内容が変わることがあるため、こまめに情報をチェックしておくと良いでしょう。
土地や建物、機器をリースで利用することで、初期費用を抑えながら事業をスタートできます。リース契約により一度に大きな資金を用意する必要がなくなり、手軽に開業を始めることが可能です。
コインランドリーの開業は、初期投資が大きいため、自己資金0円でのスタートは難しいのが現実です。ただし、リース契約や中古機器の活用、補助金の利用などを駆使すれば、初期投資を抑えつつ開業することが可能です。また、フランチャイズの利用も、初期のサポートや経営ノウハウの提供など、大きなメリットがあります。
コインランドリー開業を考えている方は、現実的な資金計画を立て、可能な限り初期費用を抑える工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
初期 投資額 |
1,200万円~ |
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年間見込 利益額 |
約215万円 |
想定 利回り |
約4~18% |
投資回収 目安 |
5年~ |
初期 投資額 |
2,650〜4,500万円 |
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年間見込 利益額 |
約400万円 |
想定 利回り |
約10~14% |
投資回収 目安 |
6年~ |
初期 投資額 |
5,170万円 |
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年間見込 利益額 |
約375万円 |
想定 利回り |
約8% |
投資回収 目安 |
13年~ |
【選定条件】
2024年4月3日時点、「コインランドリー フランチャイズ」「コインランドリー FC」と検索した際に公式HPが表示されたコインランドリーのフランチャイズ本部25社
を全て調査。 そのうち、全国に店舗があり、物件・土地探しサポートから対応している7社の中から、独自の経営戦略を持つ3社を選定。
・フトン巻きのジロー:小額投資・狭小地出店を叶えるコンパクトなコインランドリー事業を行っていることから、独自の戦略で他と差別化ができるフランチャイズであると判断。
・OKULAB:一級建築士を含めた専属チームを作り店舗デザインに注力していることから、独自の戦略で他と差別化ができるフランチャイズであると判断。
・ジーアイビー:商業施設への出店に特化していることから、独自の戦略で他と差別化ができるフランチャイズであると判断。
※フトン巻きのジローについて:4年後の収支モデル。年間コストには光熱費、賃料、ロイヤリティ、償却資産税、ネット販促費用、その他固定費を含みます。売上や利益はあくまで目安であり、その効果を保証するものではありません。
※OKULABについて:3年目の収支を想定したモデルケース。売上を保証するものではありません。年間コストには光熱費、賃料、運営管理費、売却資産税、販促費用、その他固定費を含みます。FC保証金を除きます。