コインランドリーの経営資金はいくら必要？

コインランドリー経営を始めるには、しっかりとした資金計画と資金調達が不可欠です。本記事では、初期費用の内訳や資金調達の方法について詳しく解説します。

コインランドリー経営にかかる初期費用

コインランドリーの初期費用には、店舗代、機器代、内装・外装工事費、税金が含まれており、3,000万円～4,000万円程度かかります。以下で内訳と詳細を解説します。

店舗代

新築の場合、20坪で800万円程度、50坪で2,000万円程度必要です。既存店舗を利用する場合は、400～1,500万円ほどかかります。

また、出店エリアや規模によって費用は変動します。例えば、集客しやすい立地や人気の土地に建てる場合は、費用は相場より高くなるでしょう。立地の選択は店舗代に大きな影響を与えるため、かけられる費用や利益と合わせて検討しましょう。

以下に出店ケースごとにかかる費用内容をまとめています。

機器代

小型店舗の機器代は、1,700万円（洗濯機6台、乾燥機6台）～。大型店舗は、2,300万円（洗濯機7～8台、乾燥機9～10台）～が目安です。どのような設備を選ぶかも集客に影響するため、価格だけでなく機能も確認しておきましょう。また、布団やスニーカー、ペット専用の洗濯機を導入することで、他店舗との差別化が図れます。

内装工事費

内装工事費には、電気工事、給排水工事、空調工事などの費用が含まれ、500万～1,000万円かかります。内装工事は、利用者の利便性を高めるために重要です。使いやすさや清潔感のほかブランドイメージを意識した内装などは、集客にも影響するため、費用対効果を考えて工事をしましょう。

外装工事費

外装工事費には、看板や駐車場の整備費用が含まれ、300万～500万円程度かかります。駐車場を設けると、大量の洗濯物や重い布団などを車で運べるため利用者の利便性向上につながります。また、車を使う人や徒歩圏外に住む人なども利用者としてターゲットになりうるため、コインランドリーの設備がそれらに対応しているなら、駐車場を作ることも考えてみましょう。

税金

税金には、不動産取得税（固定資産税評価額×3%）と登録免許税（土地評価額×3%）があります。店舗を先に建てておくことで、相続税対策になります。不動産は現金よりも評価額が低く、小規模宅地等の特例を活用すればさらに評価額を減額できます。税金面での有利・不利を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

ケース別初期費用

自己所有の空き店舗を利用する場合、内装工事費のみが必要です。更地に新築する場合、鉄筋造平屋建てで1坪55～60万円、20坪で1,200万円程度かかります。

プレハブでの出店も可能ですが、水道や電気、基礎工事の費用が別途発生します。

新築の場合、設計の自由度が高く、最新の設備を導入できるメリットがありますが、費用は高くなるでしょう。

改めて、コインランドリー経営にかかる費用を下記の表にまとめました。

これらの費用の見積もりを取ったうえで、経営計画を立てることがコインランドリー経営の第一歩です。また、初期費用を抑えるために、リース契約や補助金の活用も検討すると良いでしょう。

コインランドリー経営に必要な資金調達の方法

コインランドリー経営を始めるにあたっての資金調達には以下の方法があります。

融資制度の活用

国が用意している融資制度があります。「新創業融資制度」が2024年3月に廃止され、「新規開業資金」が導入されました。

新制度では、無担保・無保証人での融資、返済期間の延長、利率の引き下げ、自己資金要件の撤廃など、より利用しやすい条件となっています。これにより、資金が少ない起業家でも容易に融資を受けられるようになり、起業のハードルが低くなりました。

補助金の活用

小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金など、国や地方自治体が提供する補助金を活用することで、初期費用の一部を補えます。補助金は返済の必要がないため、資金調達の手段として非常に有利です。

小規模事業者持続化補助金（一般型）

「小規模事業者持続化補助金（一般型）」は、新しい洗濯機や乾燥機の導入や店舗の改装、広告宣伝費、ウェブサイト制作費などの経費に活用できる補助金です。

また、POSシステムや管理ソフトの導入など、業務効率化にも資金を充てられます。

ものづくり補助金

製造業やサービス業の中小企業が設備投資や新製品開発にかかる費用の一部を補助する制度です。コインランドリーの設備導入にも利用でき、最大で1,000万円の補助が受けられる場合があります。これにより、高品質な設備を導入し、競争力を高めることが可能です。

リース契約

洗濯機や乾燥機などの高額な設備をリース契約することで、初期費用を抑えられます。リース契約は月々の支払いとなるため、初期投資を大幅に減らし、資金繰りが楽になります。リース料は経費として計上できるため、節税効果も期待できます。

さらに、リース期間中は設備のメンテナンスや更新が含まれることが多く、予期せぬ修理費用が発生しにくい点も魅力です。

自己資金の確保

自己資金をある程度確保しておくことも重要です。自己資金が多ければ、融資の審査が通りやすくなり、金利も低くなる可能性があるためです。

コインランドリー経営を検討している場合は、自己資金をいくらほど用意できるか、用意するまでにどれくらい期間が必要かも考えておきましょう。

自己資金の役割

自己資金が多いほど、金融機関からの信頼度が高まり、融資を受けやすくなります。

また、自己資金が多いと金利も低く抑えられるため、返済負担が軽減されます。自己資金をしっかりと準備することで、経営開始後の安定した運営が可能になります。

計画的な貯蓄

コインランドリー経営を始める前に、計画的に資金を貯蓄しておくことが求められます。特に、事業開始直後の運転資金としての自己資金の確保は、安定した経営に不可欠です。計画的な貯蓄を行い、必要な資金を確保することで、予期せぬトラブルにも対応しやすくなります。

コインランドリー経営のフランチャイズと自己経営の比較

フランチャイズは、ブランド力や運営サポートを活用できる反面、初期投資が高く、経営の自由度が低いというデメリットがあります。自己経営は自由度が高く、収益を全て自分のものにできますが、運営に関するノウハウが不足していることがリスクとなります。

まとめ

コインランドリー経営は、安定した収益が期待できる魅力的なビジネスモデルです。

しかし、成功するためには、初期費用の見積もりや資金調達の計画をしっかりと行うことが重要です。適切な立地選びや高品質な設備の導入、さらに補助金や融資制度の活用など、綿密な準備が必要です。

特に、布団や特定のニーズに応えるサービスを提供することで、他店との差別化を図れます。

また、ブランド力のあるフランチャイズの利用は、安定した経営を実現するための強力なサポートとなります。こうした準備と工夫を取り入れた計画を立てることで、コインランドリー経営の成功への道が開かれます。

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