コインランドリーの経営において、設備選定は重要な要素の一つです。洗濯機や乾燥機の種類、設置台数、店舗の規模に応じた設備配置など、細部にわたる検討が必要になります。利用者のニーズに応じた機器を導入することで、快適な洗濯環境を提供し、リピーターを増やすことが可能になります。また、設備の耐久性やランニングコストを考慮することで、長期的な収益の安定化を図ることができます。
コインランドリーで使用される洗濯機には、家庭用と異なり業務用の耐久性が高いものが求められます。主流はドラム式洗濯機であり、縦型に比べて洗浄力が高く、短時間で洗濯が完了するため、回転率を向上させることができます。洗濯機の設置台数は、店舗の広さや利用者数に応じて適切に設定する必要があります。例えば、10坪程度の小規模店舗では3〜4台、20坪以上の店舗では6〜10台が目安とされています。洗濯機の容量も重要であり、10kg前後の一般的な洗濯物向けのものから、20kg以上の大容量タイプまで幅広く用意することで、利用者の多様なニーズに応えることができます。
乾燥機は洗濯機と同様にドラム式が主流であり、高温短時間で乾燥が可能なガス式が一般的に採用されています。電気式よりもコストはかかりますが、乾燥効率が高いため、回転率向上につながる点がメリットです。乾燥機の設置台数は、洗濯機の台数の1.5倍〜2倍が理想とされており、例えば洗濯機6台の場合は9〜12台を設置するのが望ましいです。また、容量の異なる乾燥機を配置することで、大量の洗濯物を持ち込む利用者にも対応できます。
洗濯から乾燥までを一台で完結できる洗濯乾燥機は、スペースを有効活用できるという点で有用です。特に、洗濯機と乾燥機をそれぞれ利用するよりも時間を短縮できるため、回転率が上がり、店舗の収益向上にもつながります。洗濯機の一部を洗濯乾燥機に置き換えることで、利用者の選択肢を広げ、利便性を向上させることが可能です。
一般的な洗濯機では洗うことが難しい布団を洗濯・乾燥できる布団専用の機器を導入することで、他店との差別化を図ることができます。布団洗濯の需要は高く、特に家庭用の洗濯機では対応できない大型のものを洗える点が魅力です。ただし、設置には十分なスペースが必要であるため、30坪以上の広さを持つ店舗での導入が適しています。
スニーカー専用の洗濯機は、通常の衣類用洗濯機で靴を洗うことに抵抗がある利用者にとって、安心して使用できる設備です。特に子どものいる家庭では、定期的に上履きや運動靴を洗うニーズがあり、他の利用者との洗濯物を分けることができる点が強みになります。
ペットを飼っている家庭では、ペットの衣類やタオルを洗う機会が多いですが、通常の洗濯機でペット用品を洗うことに抵抗がある利用者が多いです。そのため、ペット専用の洗濯機を導入することで、新たな顧客層を取り込むことができます。特にペット愛好家が多い地域では需要が高いため、設置を検討する価値があります。
コインランドリーでは硬貨を使用するケースが一般的ですが、両替機を設置することで、紙幣から硬貨への交換がスムーズに行えます。近年では、電子マネーやQRコード決済に対応した精算機を導入する店舗も増えており、利便性向上につながります。
プリペイドカード方式の精算システムを導入することで、現金不要での決済が可能になります。利用者の利便性が向上するだけでなく、店舗側も売上管理がしやすくなるというメリットがあります。また、カード発行によるリピーター獲得の効果も期待できます。
コインランドリーは無人営業が一般的であるため、防犯対策は必須です。店内に防犯カメラを設置し、録画機能を備えることで、トラブルの防止につながります。また、リアルタイムで遠隔監視できるシステムを導入することで、管理の手間を削減できます。
洗濯・乾燥の待ち時間に利用者が快適に過ごせるよう、待合スペースを設置することが望ましいです。Wi-Fiを提供することで、スマートフォンやタブレットを利用する人の利便性を高めることができます。また、雑誌やテレビを設置することで、利用者の満足度を向上させることができます。
コインランドリーは高温多湿になりやすいため、適切な空調・換気設備を整えることが重要です。特に乾燥機を多く設置する場合、排熱対策を講じることで、店内の快適性を維持できます。換気が不十分だとカビや臭いの原因になるため、定期的なメンテナンスも必要です。
初期 投資額 |
1,200万円~ |
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年間見込 利益額 |
約215万円 |
想定 利回り |
約4~18% |
投資回収 目安 |
5年~ |
初期 投資額 |
2,650〜4,500万円 |
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年間見込 利益額 |
約400万円 |
想定 利回り |
約10~14% |
投資回収 目安 |
6年~ |
初期 投資額 |
5,170万円 |
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年間見込 利益額 |
約375万円 |
想定 利回り |
約8% |
投資回収 目安 |
13年~ |
【選定条件】
2024年4月3日時点、「コインランドリー フランチャイズ」「コインランドリー FC」と検索した際に公式HPが表示されたコインランドリーのフランチャイズ本部25社
を全て調査。 そのうち、全国に店舗があり、物件・土地探しサポートから対応している7社の中から、独自の経営戦略を持つ3社を選定。
・フトン巻きのジロー:小額投資・狭小地出店を叶えるコンパクトなコインランドリー事業を行っていることから、独自の戦略で他と差別化ができるフランチャイズであると判断。
・OKULAB:一級建築士を含めた専属チームを作り店舗デザインに注力していることから、独自の戦略で他と差別化ができるフランチャイズであると判断。
・ジーアイビー:商業施設への出店に特化していることから、独自の戦略で他と差別化ができるフランチャイズであると判断。
※フトン巻きのジローについて:4年後の収支モデル。年間コストには光熱費、賃料、ロイヤリティ、償却資産税、ネット販促費用、その他固定費を含みます。売上や利益はあくまで目安であり、その効果を保証するものではありません。
※OKULABについて:3年目の収支を想定したモデルケース。売上を保証するものではありません。年間コストには光熱費、賃料、運営管理費、売却資産税、販促費用、その他固定費を含みます。FC保証金を除きます。